鋳造品の検査方法|外観・寸法・材質・非破壊検査の選び方

更新日 2026/10/04(日)
鋳造
鋳造品の検査方法外観・寸法・材質・非破壊検査の選び方

鋳造品の検査は、用途・材質・欠陥の位置から方法を選びます。外観・寸法・材質・非破壊検査の役割と適用条件、合否基準・頻度・記録の決め方を解説します。

この記事で分かること

  1. 01検査方法の選定用途・材質・欠陥の位置から選ぶ
  2. 02外観・寸法・材質検査する目的を分ける
  3. 03非破壊検査表面と内部で方法を分ける
  4. 04検査頻度と記録合否基準と記録方法を決める

鋳造品の検査方法を選ぶ基準

鋳造品の検査は、外観、寸法、材質、表面のきず、内部欠陥のどれを確認するかで方法が変わります。図面に指定された材質と製品の用途を確認し、検査する部位、受入時・工程内・出荷前のどこで検査するか、合否基準を決めます。

鋳肌や内部欠陥の検査と寸法検査では、目的も使用する設備も異なります。外観、寸法、材質、表面のきず、内部欠陥について、必要な検査をそれぞれ選びます。

検討例として、加工した穴の内面にきずが現れた鋳造品を考えます。表面に開口したきずは、材質と表面状態を確認して浸透探傷を検討します。周囲の内部欠陥を調べる場合は、必要な検出範囲と形状・肉厚から、放射線透過試験、X線CT、超音波探傷の適用を確認します。

検査する対象主な検査方法検査条件
表面の状態・鋳肌目視、限度見本、必要に応じて表面探傷検査する面、観察方法、限度見本
寸法・形状測定器、治具、三次元測定など基準寸法、公差、測定箇所
内部欠陥放射線透過試験(RT)、超音波探傷試験(UT)、X線CTの検討材質、肉厚、検査する部位、合否基準
材質・機械的性質成分分析、硬さ試験、引張試験など材質規格、製造ロット、試験片の採取方法、成績書の要件

外観・寸法・材質を調べる検査

外観検査では、鋳肌、きず、異物の付着などを確認します。寸法検査では、図面の基準面、測定箇所、寸法と公差を確認します。測定温度、使用する治具、測定機の校正状態も確認してください。

受入時は、試験成績書の材質と製造ロットが納入された製品に対応し、試験項目が発注仕様を満たしているか確認します。必要に応じて受入検査を行い、工程内と出荷前は品質計画に定めた項目を調べます。検査結果は対象の製品・ロットと対応させて記録します。

成分分析・硬さ試験・機械試験

成分分析では、合金元素の含有量を確認します。ブリネル硬さ試験では、球状の圧子を押し込み、残ったくぼみの大きさから硬さを求めます。引張試験では、引張強さや伸びなどの機械的性質を測定します。硬さと引張特性は、仕様に指定された項目をそれぞれ確認します。

材料試験では、材質規格、試験片の採取位置と寸法、熱処理の状態、試験結果を対応させる製造ロットを指定します。製品から切り出した試験片か、別に作った試験片かも成績書で確認してください。試験片の結果をどの範囲の品質判定へ使うか、発注先と合意します。

非破壊検査を選ぶ基準

非破壊検査は、表面と内部のどちらを調べるか、材料、製品の形状と肉厚を基に選びます。磁粉探傷試験(MT)は、強磁性材料の表面や表面付近のきずを調べる方法です。アルミニウム合金やオーステナイト系ステンレス鋼には適用できません。浸透探傷試験(PT)は、液が吸収されない非多孔質の対象で、表面に開口したきずを調べます。

内部欠陥には、放射線透過試験(RT)、超音波探傷試験(UT)、X線CTを検討します。検出できる欠陥は、材質、肉厚、形状、検査方向、使用する設備によって異なります。対象部位と検出したい欠陥を示し、適用規格と検査要領を確認してください。資格などの実施要件が指定されている場合は、対応する条件も確認します。

放射線透過試験(RT)

放射線透過試験は、X線またはγ線を鋳造品へ照射し、透過量の差を画像にして内部の状態を調べる方法です。材質、肉厚、形状の重なり、撮影方向によって欠陥の見え方が変わります。特に面状のきずは、照射方向によって検出が難しい場合があります。対象部位と方向を決め、得られた画像を判定基準と比較します。

浸透探傷試験(PT)

浸透探傷は、表面に開口したきずの確認に用います。液が吸収される対象や多孔質の対象への適用は避け、検査する面の粗さ、汚れ、塗装の有無を確認します。きずへ浸透液が入るように前処理を行い、洗浄・現像・観察は適用する検査要領に従います。

超音波探傷とX線CT

超音波探傷は、内部から返る反射信号を使ってきずを調べます。形状や検査方向に応じて対象部位の信号を取得できるかを確認し、基準となる試験片で感度や時間軸などを確認します。

X線CTでは、多方向から撮影したデータを使い、断面や三次元の内部形状を確認します。材質、透過する厚さ、装置、撮影・解析条件によって評価できる範囲が変わります。必要な欠陥の大きさや観察範囲を伝え、検査可能かを確認してください。

鋳造品の検査頻度と記録

受入れ・工程内・出荷前では、検査する目的が異なります。重要特性、工程の安定度、不良の発生状況、顧客要求を確認し、検査する部位、実施時期、全数検査か抜取検査かを決めます。抜取検査では、ロットごとに検査する個数と合否の判定方法を定めます。

検査結果には、製造ロット、図面の改訂番号、検査した部位、検査方法と条件、測定値や観察結果、合否基準と判定を記録します。試験成績書や画像も対象の製品・ロットが分かるように保管し、保管期間を決めます。

金型、材質、熱処理、加工方法、検査設備などを変更した場合は、品質への影響を確認し、検査項目・条件・頻度を見直します。変更前後を比較できるよう、変更内容と検査結果を対応させて残してください。

まとめ

鋳造品の検査方法は、用途、材質、調べたい欠陥の位置、合否基準を確認して選びます。外観、寸法、材質、表面のきず、内部欠陥には、それぞれ異なる検査を用います。

検査する部位と頻度、合否基準を決め、測定値や観察結果から製品の合否を判断します。結果は製造ロットとともに記録し、試験成績書や画像の保管期間も決めます。

鋳造に対応する登録企業を探す

相型MATCHINGに無料会員登録すると、登録企業へ相談できます。鋳造品の図面、材質、数量、検査したい内容を伝え、必要な検査に対応できるか確認してください。

無料会員登録して企業を探す鋳造記事を見る

よくある質問

鋳造品の検査は何から決めますか?

用途、材質、調べたい欠陥の位置、合否基準、検査する工程を確認して決めます。図面で重要部位を示し、その部位で必要な検査と判定条件を対応させます。

X線検査だけで品質を判断できますか?

X線による内部観察の結果は、寸法、表面状態、材料特性の確認とは目的が異なります。検出できる範囲にも条件があるため、製品要求に合わせて必要な検査を組み合わせます。

浸透探傷と磁粉探傷の違いは何ですか?

磁粉探傷試験は、強磁性材料の表面や表面付近のきずを調べます。浸透探傷試験は、液が吸収されない非多孔質の対象で、表面に開口したきずを調べます。製品の材質と表面状態、調べるきずの位置から選びます。

鋳造品の検査結果には何を記録しますか?

製造ロット、図面の改訂番号、検査した部位、方法と条件、測定値や観察結果、合否基準と判定を記録します。試験成績書や画像も、対象の製品・ロットと対応させて保管します。