製造業のDXを支援するベンダーを選ぶ際は、改善したい業務に合う提案か、導入から運用まで必要な作業を任せられるかを比較します。業務の伝え方、提案書の読み方、教育・保守・追加費用の確認項目を解説します。
この記事で分かること
- 01業務と課題依頼する作業と改善目標
- 02提案内容現場の作業と既存システムへの適合
- 03教育・保守・費用支援する作業と追加料金の条件
- 04試用による評価導入効果と使いやすさの確かめ方
製造業のDXを支援するベンダーの役割
製造業のDXを支援するベンダーは、生産管理や作業記録の電子化など、改善したい業務に必要なシステムやサービスを提供します。
業務の見直し、システムの導入、利用者への教育、運用保守のどこまでを支援するかは契約によって異なります。自社が改善したい業務を伝え、必要な作業を引き受けられる会社を比較します。
提案を受ける前に伝える業務と課題
ベンダーへ提案を依頼するときは、現在の作業手順と困っていること、導入後に実現したい業務を伝えます。二重入力がある場合なら、どの帳票から何を転記し、その情報をどこで使っているかを説明します。
複数の会社へ提案を依頼する場合は、対象業務と改善目標をそろえて提示してください。次の表は、自社から伝える情報と、提案で確かめる内容の例です。
| 項目 | 自社から伝える情報 | 提案で確かめる内容 |
|---|---|---|
| 作業手順 | 対象の作業、利用者、帳票、前後の業務 | 導入後に省く作業と残す作業 |
| 改善目標 | 現在の作業時間や処理件数と、改善したい内容 | 目標に向けてどの作業を変えるか |
| 使用データ | 保存先、保存形式、接続するシステム | 必要なデータを取り込み、業務で使えるか |
| 例外時の作業 | 入力の修正や承認の差し戻しが起きた場合の手順 | 通常と異なる作業もシステムで処理できるか |
DX支援ベンダーの提案を比べるポイント
提案書では、必要な機能があるかに加え、その機能を自社の作業で使う方法を読み取ります。説明が足りない項目は質問し、導入前に試す内容と時期を回答してもらいます。
現場の作業を提案へ反映できるか
提案された画面や帳票を、実際の作業手順に沿って確認します。入力する人が操作し、承認や差し戻しまで進められるかを試すと、利用開始後に必要な手順を検討できます。
現場担当者への聞き取りや操作確認について、ベンダーが支援する作業を尋ねてください。類似案件の実績は、自社に近い業務や利用人数の事例で、どの作業を支援したかを聞きます。
既存システムへの接続とデータ移行
既存システムとデータを受け渡す場合は、接続方法、データの形式と項目の意味、更新頻度を確認します。閲覧・変更できる人も指定し、必要な人が必要な情報を使えるかを検討してください。
データ移行は、既存システムのデータを新しいシステムへ移す作業です。元データの抽出、形式の変換、移行後の内容確認について、自社とベンダーの作業分担を比べます。
導入教育・保守と追加費用の比較
複数のベンダーへ見積りを依頼する場合は、合計金額と、設定・テスト・データ移行・教育に含まれる作業を比べます。月額・年額で支払う利用料や保守料がある場合は、比較する利用期間をそろえて総額を確認してください。
| 支援項目 | 見積り・契約で確かめる内容 |
|---|---|
| 導入 | 設定・テスト・データ移行の作業内容と、自社で行う作業 |
| 教育 | 対象者、実施方法、教材の有無、追加教育の料金 |
| 保守 | 対象のシステム、受付時間、障害時の連絡先、修正する不具合 |
| 改修 | 帳票変更や機能追加を依頼する方法と、追加料金の条件 |
保守契約の開始日・終了日、更新の時期、契約を終了する際の手続きも確認してください。保守料に含む修正と、追加料金がかかる改修を、契約する会社へ説明してもらいます。
日報へ新しい入力項目を追加する場合を仮定します。画面と集計の変更、変更後のテスト、操作手順書の更新について、各ベンダーが担当する作業を提示してもらいます。保守料に含む作業と追加見積りが必要な作業を、その内容ごとに確認します。試用では、新しい項目を入力し、集計へ反映できるかと、以前の記録を引き続き参照できるかを確かめます。
障害時の時間の目安は、問い合わせへの回答、作業の開始、復旧のどれを示すかを読みます。受付時間が自社の稼働時間に合うか、受付時間外に連絡できる窓口があるかも比較します。
一つの業務で試して導入効果を評価する
一つの業務や部署で試せる提案なら、利用開始前後の作業時間や入力漏れの件数を比較します。対象の作業や集計期間をそろえ、どの作業が減り、どの作業が残ったかを確かめてください。
試用中は、入力に迷った箇所や問い合わせ内容も集めます。操作や手順の問題が残る場合は、画面や教育内容の修正をベンダーと検討し、他の部署へ広げるかを判断します。
まとめ
製造業のDXを支援するベンダーは、改善目標に合う機能を提案しているか、導入と運用に必要な作業を引き受けられるかで比較します。提案された画面や帳票を作業手順に沿って試し、既存システムへの接続方法も確かめてください。
見積りでは、導入作業に加えて教育・保守・追加改修の内容と費用を比べます。試用できる場合は、業務の変化と使いやすさを評価してから、導入する部署を広げるか検討します。
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よくある質問
要件定義から支援を受けられますか?
要件定義を支援する契約もあります。要件定義は、業務で実現したいことやシステムに必要な機能を文書にし、利用する会社と支援する会社で合意する作業です。依頼時には、現在困っていることと改善後の目標を伝え、文書作成や現場への聞き取りをどこまで支援するか質問します。
保守の回答時間と復旧時間は同じですか?
回答時間は問い合わせに返答するまで、復旧時間はシステムが復旧するまでの時間です。提案に時間の目安がある場合は、時間を数え始める条件と、回答・着手・復旧のどこまでを約束するかを確かめてください。
既存の取引先がいる場合は何を確認しますか?
新しいシステムを導入する場合は、既存システムの保守会社と導入を支援する会社が担当する作業を明確にします。接続やデータ移行で必要な作業を両社へ伝え、障害が起きた場合の連絡先も確認してください。