データの集め方と使い方
製造業のデータ活用では、設備の停止や生産の遅れ、不良を調べる記録を集めます。必要なデータの選び方と整え方、集計結果を現場の改善へつなげる方法を解説します。
この記事で分かること
- 01必要なデータ停止・遅れ・不良を調べる記録
- 02比較できる記録項目の意味・単位・時刻のそろえ方
- 03記録の点検欠損・重複・入力誤りへの対応
- 04改善への活用集計結果の読み方と対策後の比較
改善したい問題から集めるデータを選ぶ
データを集めるときは、設備停止を減らす、生産の遅れを早く把握する、不良の原因を調べるなど、改善したい問題を具体化します。次に、その問題を調べるために必要な記録を選びます。
| 改善したい問題 | 調べるデータの例 |
|---|---|
| 設備の停止 | 設備名、停止の開始・終了時刻、停止理由 |
| 生産の遅れ | 品番、工程、予定・実績の時刻、遅延理由 |
| 製品の不良 | 品番、製造日時、設備、加工条件、検査結果 |
たとえば停止時間を調べるには、開始時刻に加えて終了時刻が必要です。停止理由も記録すると、段取り、故障、材料待ちなど、どの作業や状態で時間がかかっているかを調べられます。
必要な記録が日報、表計算ソフト、設備や業務システムのどこにあるかを確かめます。既に記録している項目を使い、不足する項目は手入力や設備からの取得で補います。取得方法と頻度は、日々の実績を振り返るのか、発生した遅れにすぐ対応するのかといった使い方に合わせます。
項目の意味・単位・時刻をそろえる
同じ「稼働時間」という名前でも、段取りや待機を含むかによって表す時間が変わります。集計に含める状態と計算方法を明らかにし、同じ範囲の値を比較します。
設備名、工程名、品番は、記録同士を対応付けられる表記にします。異なるシステムで番号が違う場合は、どの設備や製品を指すかを確かめて対応表を作ります。数量の単位が個と箱で違う場合などは、比較に使う単位と換算条件を確認してください。
時刻には、作業や停止が起きた時刻と、記録を入力した時刻があります。後から入力した記録を使うときも、出来事が起きた順序を追えるようにします。設備データと作業記録を結び付ける場合は、設備と記録用システムの時刻にずれがないかも確認します。
同じ項目を複数の帳票やシステムで持つ場合は、どの記録を集計元にするかを決めます。品番や設備番号、集計方法を変更したときは、変更内容と適用日を残し、変更前後で何が違うか分かるようにします。
欠損・重複・入力誤りを確認する
空欄、同じ出来事の二重登録、更新の遅れがあると、現場の状態を正しく読み取れないことがあります。たとえば停止時間が未入力なら、停止がなかった「0分」とは区別します。元の記録や現場の状況を調べても分からない値は、未確認と分かる状態で残します。
停止の開始時刻は記録され、終了時刻だけが空欄になっている場面を仮定します。この記録から停止時間を計算するには、日報や設備の記録、現場の担当者に終了時刻を確認します。終了時刻が分からなければ、停止時間を「0分」で補わず、集計に含められない記録があることを表示します。
重複を調べる際は、設備、発生時刻、記録番号などから、同じ出来事を二度記録していないかを確かめます。同じ品番の記録が複数ある場合も、生産した日時やロットが違えば異なる記録です。
入力誤りを修正するときは、元の記録を確認し、変更した値と理由を残します。入力漏れや修正が多い項目は、記録する場面と担当者、入力方法を見直します。既存記録から取得できる項目を再び入力している場合は、転記を減らせるか検討してください。
集計したデータから原因と改善策を考える
設備停止を調べる場合は、停止理由ごとに時間と回数を集計します。一回の停止が長いのか、短い停止が繰り返されているのかによって、確認する出来事を絞れます。分類ごとの集計機能がある表計算ソフトなども使えます。
日付や発生順に数値を並べると、増減やばらつきが変わった時点を探せます。変化のあった時期の記録へ戻り、製品、材料、設備、作業方法に変更がなかったかを調べます。二つの数値が一緒に増減していても、その関係が原因を示すかは、現場の出来事や加工の仕組みから確かめる必要があります。
不良を調べるなら、不良品の個数と検査した個数を対応させ、不良率も確認します。品番ごとの結果も調べ、特定の製品で不良が増えていないかを確かめます。生産する品番の構成や検査方法が変わった場合は、その違いも含めて結果を読み取ります。
原因を調べたら、変える作業と担当者を決めて対策を実施し、実施日と内容を記録します。対策の前後で同じ設備・品番・集計方法の記録を比較し、停止時間や不良率などがどう変わったかを確認します。生産数量や稼働時間なども変わっていれば、対策の影響と判断できる範囲を検討します。
日々使う画面には、担当者が判断に使う数値と、どの期間の記録かを表示します。遅れや基準を外れた状態を見つけた場合の連絡先と対応を決め、表示した結果を現場の確認につなげます。まず一つの工程や設備で、記録の手間、データの不足、実際に改善へ使えたかを確かめ、必要に応じて範囲を広げます。
まとめ
製造業のデータ活用では、改善したい問題に関係する記録を集め、項目の意味や集計条件をそろえます。未入力や二重登録も点検し、現場の状態を読み取れるデータに整えます。
集計結果から停止や不良が増えた時期と条件を調べ、現場で原因を確認して作業を改善します。対策を実施した日と内容を残し、同じ条件で前後の変化を確かめてください。
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よくある質問
最初にどのデータを集めればよいですか?
改善したい問題を一つ選び、その状態を調べる記録を集めます。設備停止なら、設備名、開始・終了時刻、停止理由を記録すると、停止時間と発生状況を調べられます。
表計算ソフトの記録でもデータを活用できますか?
項目をそろえた表にすれば、分類ごとの集計機能を使って期間や停止理由などで集計できます。元の記録の意味や単位、欠損・重複を確認してから、比較に使ってください。
データを表示した後は何をすればよいですか?
停止や不良が増えた時期や条件の記録を調べ、現場の作業や設備の状態を確認します。対策を実施したら、前後で比較する条件をそろえ、変化を確かめます。