製造業のDXで活用できる補助金|主な制度と申請前の確認事項

更新日 2026/10/05(月)
製造業のDX
製造業のDXで活用できる補助金主な制度と申請前の確認事項

製造業のDXで補助金を活用するには、投資の目的に合う制度を選び、対象経費と発注時期を確かめます。登録ITツール、省力化設備、新製品開発を支援する制度の特徴と、申請前の準備、入金までに必要な資金を解説します。

この記事で分かること

  1. 01制度の特徴ITツール・省力化・新製品開発
  2. 02対象経費補助される費用と自己負担
  3. 03発注と入金交付決定から支払いまで
  4. 04申請の準備事業計画・資金・報告書類

製造業のDXに活用できる主な補助金

補助金は、投資で実現したいことに応じて検討します。ここでは、国の制度から、ITツールの導入、省力化、新製品開発に関係する例を紹介します。

デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠)は、業務の効率化などに向けたITツールの導入を支援する制度です。事務局に登録されたソフトウェアが対象で、登録済みのIT導入支援事業者と申請を進めます。

中小企業省力化投資補助金(一般型)は、人手不足の解消に向けた設備・システムの導入を支援します。事業者の業務や現場に合わせた設備構成によって、省力化を進める投資が対象です。

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(革新的新製品・サービス枠)は、技術的な革新性がある新製品・新サービスの開発に必要な設備・システム投資を支援します。新製品・新サービスの開発を伴わず、既存の製造工程を改善する投資は、この枠の対象になりません。

制度情報は2026年10月5日に確認しています。説明の基準は、通常枠の2026年公募、省力化一般型の第8回、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第1回です。旧ものづくり補助金の23次公募は受付を終了しています。申請する年度・公募回の受付期間と要件を確認してください。

補助対象となる事業と経費の確認

補助の対象になるかは、申請する会社の規模や事業内容、導入する設備・ソフトウェア、費用の内訳によって決まります。制度の目的が投資内容に合うことに加え、次の条件を確認します。

確認項目確認内容
申請者企業規模などの対象者要件と、対象外となる事業者の条件
事業内容制度が求める省力化や新製品開発などの目的、生産性や賃金に関する要件
対象経費設備、ソフトウェア、導入支援など、申請できる費用の区分と登録要件
補助額対象経費に適用する補助率、補助額の下限・上限と特例の条件
実施期間発注・契約を始められる時期と、導入・支払いを終える期限

同じ名称の費用でも、制度によって扱いが異なります。デジタル化・AI導入補助金の通常枠では、登録ソフトウェアと対になる保守サポートが、ソフトウェアの利用範囲内で最大2年分まで対象です。一方、省力化投資補助金の一般型では、システムの保守・メンテナンス費用は対象外です。

通常枠のソフトウェアでは、購入費や最大2年分のクラウド利用料が対象です。導入するソフトウェアと付随する役務が、申請に使う登録ITツールに含まれるか確認します。

導入費用の見積りでは、設備やソフトウェアの本体価格、設定、教育、保守などの内訳をそろえます。申請する制度の経費区分に該当する明細を選び、対象額を合計します。対象外の費用と、対象経費のうち補助されない分は、自己負担として準備します。

発注・契約と補助金交付の流れ

デジタル化・AI導入補助金の通常枠では、交付決定を受けてからITツールを発注・契約します。交付決定前に発注・契約・支払いを行ったものは補助対象になりません。発注・契約を先に行い、納品・導入と支払いは実績報告までに完了させます。導入したツールの利用を始めて実績報告を提出し、事務局の確認と補助金額の確定を経て、補助金が支払われます。

省力化投資補助金の一般型では、採択後に交付申請を行い、経費などの審査を受けて交付決定となります。採択の通知は、補助事業に着手できることを示す交付決定とは異なります。設備の発注・契約は、交付決定を受けた後に行います。

同制度の補助金は、事業完了後の検査などを経て支払う「精算払い」が原則です。導入費用を支払う日と補助金が入る時期に差があるため、入金までに必要な資金を確保します。

申請前に準備する事業計画と資金

事業計画では、解決したい課題、導入する設備・システム、期待する効果とその根拠を説明します。省力化投資補助金の一般型なら、時間がかかっている作業と現状の作業時間を示し、導入によってどれだけ短縮できるかを見積もります。短縮した時間を他の業務に充てる方法や、生産量を増やす可能性も検討します。

仮定の例として、日報の転記に1日60分かかり、導入後の確認・訂正に20分かかるとします。この作業の削減時間は、60分−20分=40分です。実際に省力化を進める際は、導入後に残る作業も含めて時間の根拠を示します。この例は実測値や工場全体の生産性向上率を示すものではありません。

導入を担当する人、設置や設定に必要な期間、使用を始める時期を具体化し、実施期間内に完了できる日程を組みます。制度で求められる生産性や賃金に関する目標も、事業計画に反映します。

資金面では、投資総額、補助対象経費、補助見込額、自己負担額を計算します。さらに、支払いから補助金の入金までに一時的に必要になる資金を確かめます。自己負担額と、一時的に用意する資金の額は異なるため、支払予定日に合わせて準備します。

資金計算の例では、税抜の対象経費200万円、対象外経費50万円、補助率1/2と仮定します。補助額の上下限に抵触せず、対象経費の全額が認められる前提なら、補助見込額は200万円×1/2=100万円です。最終的な自己負担は200万円+50万円−100万円=150万円ですが、入金前に支払う税抜の総額は250万円です。実際に必要な資金には消費税も加え、支払日と入金見込時期を具体化します。

ここで紹介した制度の電子申請には、GビズIDプライムが必要です。利用できるアカウントの有無を確認し、未取得なら、申請書類の準備と並行して取得手続きを進めます。

デジタル化・AI導入補助金の通常枠では、IPAが実施する情報セキュリティ対策の自己宣言も申請要件です。

実績報告と導入後の効果報告

実績報告は、申請した設備やITツールを導入し、支払いを終えたことを示す手続きです。デジタル化・AI導入補助金では、発注・契約、納品、支払いが分かる証拠書類などを提出します。利用する申請枠や購入形態に応じた必要書類を把握し、取引の都度保存しておきます。

導入後の効果報告では、制度が指定する時期に、生産性や賃金などの実績を報告します。たとえば、デジタル化・AI導入補助金の通常枠では、営業利益、人件費、一人当たり給与支給総額などの報告が求められます。申請時の計画と対応する数値を、決算資料などから集計できるようにしておきます。

賃金などの要件が未達となった場合に、補助金の返還を求める制度もあります。適用される要件、返還額の計算方法、免除条件を申請前に把握し、導入後も実績を管理します。

まとめ

製造業のDXで補助金を活用するには、ITツールの導入、省力化、新製品開発など、投資の目的に合う制度を選びます。補助対象となる経費と自己負担額を算出し、交付決定から導入、支払い、入金までの日程に合わせて資金を準備します。

申請の準備には、現状の課題を示す数値、導入後の目標とその根拠、実施体制が必要です。実績報告の書類と導入後の報告項目まで把握すると、申請から事業完了後までに行うことが明確になります。

相型MATCHINGでDXに対応する企業を探す

相型MATCHINGでは、対応分野や地域から製造業の企業を探せます。DX・システム開発に対応する企業を探し、導入したい内容に対応できるか確認できます。

無料会員登録して企業を探す製造業のDXの記事を見る

よくある質問

製造業のDXには、どの補助金を使えますか?

登録ITツールの導入にはデジタル化・AI導入補助金の通常枠、省力化のための設備・システム投資には中小企業省力化投資補助金の一般型などがあります。利用する公募回で、事業の目的と費用の区分が対象要件を満たすか確認して選びます。

採択されたら、設備を発注してよいですか?

省力化投資補助金の一般型では、採択後に交付申請を行い、交付決定を受けてから発注・契約します。採択の通知と交付決定の通知を区別し、着手できる日を確かめます。

補助金が入るまでの資金も必要ですか?

事業完了後に補助金が支払われる制度では、先に導入費用を支払う資金が必要です。最終的な自己負担額に加え、支払いから入金までに必要な資金と調達方法を確認します。

ITツールの保守費も補助対象ですか?

制度によって異なります。デジタル化・AI導入補助金の通常枠では、登録ソフトウェアと対になる保守サポートが、ソフトウェアの利用範囲内で最大2年分まで対象です。省力化投資補助金の一般型では、システムの保守・メンテナンス費用は対象外です。