製造業の受発注業務のDX推進|受注入力と納期回答を見直す方法

更新日 2026/10/05(月)
製造業のDX
製造業の受発注業務のDX推進受注入力と納期回答を見直す方法

注文書の内容を何度も入力したり、納期を答えるために工場や倉庫へ問い合わせたりしていませんか。受け取った注文データを再利用し、生産計画と在庫情報を納期回答に使うことで、こうした手間を減らせます。製造業の受発注業務のDX推進に向けて、仕事の変え方、連携に必要な準備、導入効果の確かめ方を解説します。

この記事で分かること

  1. 01仕事の見直し受注入力から納期回答までの変化
  2. 02注文データの利用同じ内容の転記を減らす方法
  3. 03納期回答使える在庫と生産予定の確認
  4. 04導入効果作業時間と誤りを導入前後で比較

受発注業務のDXで改善できること

受注担当者が注文書を見て台帳に入力し、生産担当者が同じ内容を生産管理システムへ打ち直している場合は、受注データを取り込む方法へ変えることで転記を減らせます。営業担当者が生産予定や使える在庫を確認できるようにすると、納期を答えるための情報も集めやすくなります。

次の表は、注文を受けてから顧客へ回答するまでの仕事を見直す例です。

業務現在の作業見直し後の作業
受注入力注文書の内容を受注台帳と生産管理へ転記する入力した注文データを生産管理へ取り込む
納期回答工場や倉庫へ問い合わせて回答に必要な情報を集める生産予定と使える在庫を見て納期を検討する
注文変更関係部署へ個別に連絡し、それぞれの台帳を修正する変更を共有し、生産・在庫の調整結果を顧客への回答に使う

DXを進める際は、入力の手間を減らすことから、顧客への回答を早めたり、注文変更へ対応しやすくしたりする仕事の改善につなげます。そのために、受注、生産、在庫を扱う担当者が、どの情報を使って何を判断するかを共有します。

注文データを取り込み、転記を減らす

取引先から受け取れる注文データの形式と、自社の受注システムで利用できる取り込み機能を調べます。企業間で取引データを交換する方法にはEDIがあり、中小企業共通EDIは、中小企業の取引向けに標準化された仕組みです。社内の生産管理へ渡すときも、受け渡すデータの形式と各項目の意味を合わせます。

例えば、取引先と自社で品番が違えば、どの製品を指すか対応を明らかにします。数量の単位が「個」と「箱」で違う場合は、箱に入る個数を踏まえて扱います。日付も、顧客の希望納期と自社が回答した納期を区別して取り込みます。

取り込みを試す際は、注文が重複して登録されていないか、品番や数量が正しく入っているか、取り込めなかった注文がないかを確認します。取り込めなかった原因を調べ、注文データを修正して再度取り込む担当者を決めます。再度取り込んだ後も、同じ注文が二重に登録されていないかを確認します。電話や紙で受けた注文についても、社内で入力した情報を後の作業に使い、同じ内容の再入力を減らす方法を検討します。

生産計画と在庫を使って納期を回答する

納期を答えるには、今回の注文に使える在庫数と、不足分がそろう時期を確認します。在庫のうち、ほかの注文のために確保されている数量は、今回の注文へ使える数量から除いて考えます。不足分については、製造が完了する予定や材料・製品の入荷予定を調べます。

製品がそろう日から、出荷準備や輸送に必要な時間も考慮して顧客へ回答します。生産計画や入荷予定を使う場合は、その計画を実行できるかを生産・手配の担当者が判断できるようにします。仕様変更や特急品など、登録済みの条件では日付を判断できない注文は、担当者の確認を経て回答します。

一度に全数量がそろわない場合は、先に出荷できる数量と残りがそろう日を確認し、分けて納品できるか顧客に相談します。

情報の更新時点に注意する

システム上の在庫数は、入出庫の登録や棚卸し結果の反映が遅れると、実際の数量と異なることがあります。生産計画も、設備の停止やほかの注文の変更によって変わります。納期回答に使う情報が、いつ更新されたものか分かるようにしてください。

決めた時刻にまとめて更新する場合は、その後に発生した受注・出荷・変更を回答前に確認できる運用が必要です。確認の負担や回答の速さを踏まえ、更新間隔を短くするか、自動連携するかを検討します。

注文変更に対応し、導入効果を確かめる

注文数量が増えたら、追加分をいつまでに用意できるかを調べ、納期を再回答します。数量が減ったら、生産する数量と、その注文に確保している在庫数を見直します。希望納期が変わった場合も、生産・手配・出荷の予定を確認して回答します。

変更を受けた担当者が注文内容を更新し、生産や在庫を扱う担当者へ伝える流れを用意します。変更前後の数量や日付を確認でき、対応が終わった結果を受注担当者が把握できるようにすると、古い情報に基づく回答を防ぎやすくなります。

一部の取引先や品目で試す

まずは対象となる取引先や品目を絞り、注文1件あたりの転記時間、受注から回答までの時間、入力誤りや変更漏れを導入前後で比べます。注文の複雑さや数量などの条件が大きく違う場合は、その違いも踏まえて結果を評価します。

転記が減っても回答までの時間が変わらなければ、どの情報の確認に時間がかかっているかを調べます。例えば、生産計画の更新待ちが続いているなら、注文データの取り込みに加えて、計画を更新する作業と営業へ伝える方法を見直します。結果から必要な改善を続け、対象を広げていきます。

まとめ

受発注業務のDX推進では、注文データを再利用し、使える在庫と生産予定を顧客への納期回答につなげます。転記や確認待ちが多い仕事から始め、注文変更への対応も含めて作業を見直します。

受け渡す情報の意味と更新方法を合わせ、一部の取引先や品目で試してください。作業時間や誤りを導入前後で比べ、結果を基に連携する範囲と運用を改善します。

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よくある質問

取引先が紙や電話で注文する場合も改善できますか?

社内で受け付けた注文を一度入力し、生産管理などの後の作業へ渡す方法を検討できます。取引先との受け渡しを電子化する場合は、双方が使える形式やサービスを確認します。

すべてのシステムを入れ替える必要がありますか?

現在のシステムで注文データの取り込みや出力ができれば、それを使う方法があります。必要な情報を渡せるか、手作業がどこに残るかを試してから、追加する機能やシステムの更新範囲を検討します。

在庫や生産計画はリアルタイムで連携すべきですか?

納期回答に必要な情報の新しさと、更新後の変化を確認する負担に応じて決めます。決めた時刻に更新する方法では、その後の受注や出荷による変化を回答前に確認できることが条件になります。