プレス金型費用を徹底解説!見積り依頼前に知っておくべきポイント
私たちの身の回りにある多くの金属製品は、プレス加工によって製造されています。例えば、自動車の部品、家電製品の筐体や内部フレーム、スマートフォンの内部パーツなど、さまざまな分野の製品に活用されています。
プレス加工とは、金属板を金型で圧力を加えて変形させ、製品の形状を作り出す加工方法です。これにより、複雑な形状の製品を大量かつ高精度に生産できます。その中心的な役割を果たすのが「プレス金型」です。
プレス金型は決して安価ではありません。設計から部品製作、検査、組付けなど、多くの工程が必要で、それぞれに専門技術があります。さらに、完成後も金型の生産や保全、保管にかかるコストが発生するため、長期的な運用コストも考慮する必要があります。
本記事では、プレス金型に発生する費用の内訳や、コストを抑える方法について詳しく解説します。
プレス金型に必要な費用は?
プレス金型は、設計や製作、保全に至るまで、多くの費用が発生します。これらの費用は大きく分けて、「金型取得費(イニシャルコスト)」と「金型維持費(ランニングコスト)」の2つに分類できます。金型メーカーから見積書を取得する際には、発注側も内容をしっかり確認し、費用の目安を把握したうえで、過不足がないか慎重に判断することが重要です。見積書の記載方法は各企業により異なりますが、一般的な内訳についてご紹介します。
金型取得費(イニシャルコスト)
設計費
金型の設計は、専門の金型設計者が行います。製品の形状や寸法精度・機能を考慮し、CADやCAE解析を用いて設計します。金型の基本構造設計から詳細設計を行い、組立図面の作成や、部品加工用の図面作成、センサなどの購入部品の選定まで多岐にわたります。必要に応じて電気配線図や配管図を作成します。
設計費は、設計者の人件費や、年間使用料1本数百万円のCADソフト費用などが含まれます。
材料費
金型部品の材料の費用です。プレス金型用の材料は、汎用の鋼材(S50Cなど)、焼入れ材(SKD61、SKD11など)、超硬合金などが使われます。一般的に材料の硬度(硬さ)が高いほど金型の耐久性は高くなりますが、材料費用は高価となり、部品加工の難易度も上がるため、総費用は高くなります。金型設計者が要求仕様に応じて、適切な材料を選定する必要があります。
部品加工費
金型部品の製作に必要な加工に発生する費用です。部品図面をもとに、適切な加工手順を決定し、工作機械を用いて製作します。金型は高精度が求められるため、NC(数値制御)工作機械が主に使用されます。
CAMにより加工プログラムを作成し、マシニングセンタや旋盤で精密加工を行い、平面研削盤や円筒研削盤により、部品表面を高精度に仕上げます。また、ワイヤーカットや放電加工などの電気加工を使用するケースもあります。部品の用途に応じて、熱処理や表面処理(コーティング)を行い、材料物性を向上させることもあります。機械加工では部品表面が粗いことがありますが、やすりを用いて手作業で表面を磨くこともあります。
各加工工程は、熟練の技能者が製品形状や材質、要求寸法精度に応じて適切に実施します。また、仕上がりの寸法を検査しながら進めます。
部品加工費は、加工技能者の人件費や、高額な工作機械(1台数千万円)の取得コストなどを考慮して算出されます。
組付費
完成した金型部品は、熟練の技能者が組み立てます。金型は、複数の精密部品で構成されており、場合によっては数ミクロン単位での調整が求められます。部品加工時のわずかな寸法誤差を調整しながら組付けます。
この段階で金型設計者の設計ミスや部品加工者の加工ミスが発覚することもあり、 熟練の技能者が適切に対応し、最終調整を経て金型が完成します。
トライ費・修正費
金型の試し打ち(トライ)時に発生する費用です。プレス機に金型をセットする段取り、プレス機の操作などの作業や完成品の寸法検査などが含まれます。
一度で狙い通りのプレス製品を得られる場合もありますが、多くは初回で成功せず、不良内容に応じて金型設計の修正や部品の再加工が必要になります。
対策実施後に再度トライをします。合格するまで複数回繰り返すこともあります。
輸送費
金型の重量は数kgから数トンに及ぶことがあり、輸送には大型トラックが必要な場合もあります。このため、輸送費だけで数十万円に達するケースもあります。
金型図面費用(知的財産権)
金型の知的財産権は基本的に金型メーカー側に帰属します。
発注者が金型費用を支払い、金型納品時に図面を受け取ったとしても、発注者が知的財産権を保有するわけではないため、図面を自由に使用することはできません。
知的財産権を取得したい場合は、金型メーカーから有償で購入する必要があります。ただし、金型メーカーが自社ノウハウの保護を理由に、知的財産権や図面自体の譲渡を断るケースもあります。
金型の知的財産権や下請法の規定を十分に理解し、法律に抵触しないよう注意して取引を行いましょう。
金型維持費(ランニングコスト)
試作や開発のために一時的に金型が必要な場合は維持費を考慮する必要はありません。しかし、量産で長期間使用する場合は、どのような費用が発生するかを事前に検討することが重要です。主な項目について解説します。
保管費用
金型の平均保管期間は10年以上に及びます。大型で重量のある金型は、倉庫スペースの確保や防錆処理など、適切な保管対策が必要です。
また、金型は多くの場合、固定資産に分類され、固定資産税が発生します。税務処理については、税理士と相談しながら適切な対応を行いましょう。
消耗部品費用
金型は、定期的な消耗部品の交換が必要です。
プレス金型で使用するパンチ・ダイや摺動部品は、摩耗が進むため定期的な交換が必要です。金型内のバネは、使用回数を超えると動作不良を起こす可能性があります。
また、表面処理(窒化処理やDLCコーティングなど)は、使用中に剥がれるため再処理が必要です。
破損しやすい部品は予備を用意することを検討しましょう。予備部品がない状態で金型が破損した場合、数週間生産停止となるリスクがあります。
消耗部品に必要な費用を金型設計前に正確に見積もることは難しいため、暫定的に金型取得費用の30%を予算確保しておき、金型設計が進む中で、見積り精度を徐々に高めていきましょう。
保全費用
金型で安定して生産を行うには、保全員による定期的な検査とメンテナンスが必要です。型部品の摩耗や亀裂、部品の摺動性の点検や、消耗部品の交換、金型内に堆積した製品のバリや加工油などの異物除去を行います。日常点検や定期メンテナンスを適切に行うことで、致命的な金型の破損を防ぐことが重要です。
金型のコストを抑える方法とは?
金型のコストは、取得費用だけではなく、長期的な維持費も考慮する必要があります。
短期間で試作や開発を行うだけであれば維持費は問題になりませんが、量産で数年単位の運用を想定している場合、取得費と維持費を総合的に検討する必要があります。
ここでは、金型コストを抑えるための具体的な方法を紹介します。
製品設計段階でプレス加工性を検討する
金型コストを抑えるためには、製品設計の段階でプレス加工性を考慮することが最も重要です。加工しやすい形状にすることで、金型の加工難易度が下がり、取得費用を削減できます。また、想定外の加工不良が発生しにくくなり、トライ回数を減らせるため、全体的なコスト削減につながります。
製品設計時に注意するポイント
- プレス加工の工程数を減らせる形状を検討する
- バリや寸法不良を抑えやすい設計を考える
- 寸法精度を必要以上に厳しくしないよう見直す
製品設計者と金型設計者が製品図面の検討段階から、密に連携することが必要です。
金型メーカーに「この製品を作りたいので金型を作ってほしい」と依頼するのではなく、「加工難易度を下げるために、最適な製品形状を一緒に検討してほしい」と相談することで、より良い結果が得られる可能性があります。製品形状の検討に時間をかけるためには、金型メーカーに検討費用を支払うことで、より対価に見合った提案をしてもらえる可能性が高まります。また、必要に応じてCAE解析を活用し、加工性を事前に確認することで、不良リスクを減らせます。
金型取得費と維持費を総合的に考える
金型コストを最小限に抑えるには、取得費用だけでなく維持費も考慮することが重要です。数年間の量産を見据えて、以下の点を確認しましょう。
確認するポイント
- 消耗部品はどれか?交換頻度は?
- メンテナンス方法や保全作業のしやすさ
(例:頻繁に交換する部品が取り外しやすい構造か、重量が過大でないか)
- 生産性や保全作業の向上を考慮した構造になっているか
プレス金型の構造は、「単発型」「順送型」「トランスファー型」などに分類され、それぞれ保全性や生産性が異なります。自社の生産計画や運用方法に応じて最適な型を選択することが重要です。
取得費用だけを重視し、メンテナンスが困難な金型を導入すると、長期的に維持費が高騰するリスクがあります。発注前にこれらの項目を金型メーカーと十分に打ち合わせ、確認しましょう。
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