プレス製品の試作ガイド|金型の料金・製作期間・管理について徹底解説

専門的な観点から解説|プレス加工の基礎から試作金型の料金・期間・管理まで

プレス製品の試作は、設計の妥当性と量産の成否を左右する重要工程です。金型の仕様や管理、トライの計画、見積の前提が曖昧なままでは、納期(期間)やコスト(料金)のリスクが膨らみます。

本記事では、プレス加工の基礎から試作の進め方、金型の料金と製作期間、試作後の管理ポイントまでを解説します。

プレス加工の基礎

プレス加工の基礎

プレス加工は、板金材に上型(パンチ)と下型(ダイ)で圧力を加え、せん断・塑性変形によって目的形状を得る方法です。現場では一工程で完結するケースは少なく、基準穴の抜きから曲げ、深絞り、仕上げに至るまでを複数工程に分割し、歩留まりと寸法安定性を確保します。抜きでは外形や基準穴を同時に形成し、曲げでは回り込みやスプリングバックを想定して金型側で補正します。深絞りでは割れやしわを抑えるため、絞り率や絞りビードの設計を最適化します。

金型の基本構造と型式

単発型は工程ごとに個別の金型で成形する方式で、段取り替えは必要ですが変更に強く、少量や試作に向いています。順送型(プログレッシブ)はコイル材を送りながら一つの金型内で多工程を連続実施する量産方式で、タクト短縮と自動化に有利です。トランスファー型は搬送指でワークを工程間移送する方式で、大型品や深絞り品に適します。

試作型と量産型の違い

試作型は設計妥当性と製造性を検証するための簡易構造で、手仕上げを多用し、工程変更にも柔軟です。材質はS50Cやアルミなどの軟材を選ぶこともあります。量産型は安定量産と高寿命を目的に、剛性とガイド精度を最優先に設計され、SKD11・SKD61や超硬などの耐摩耗材を主体とします。表面処理も、試作では必要最小限に留めるのに対し、量産では窒化やTiN/TiCNコーティングなど寿命志向の処理を適用します。保全設計と交換性は量産型の設計段階から内蔵され、総コストは初期費用ではなく寿命当たりの最適化で評価します。

試作の重要性

試作の重要性

試作は、製品評価と製造評価を同時に進めるプロセスです。製品評価では、寸法、外観、機能、強度、耐久、組立性、他部品との干渉といった観点を確認します。製造評価では、工程の妥当性やばらつき、寸法精度、バリや割れ、しわ、スプリングバックの発生傾向、金型調整量やトライ回数を把握し、量産移行時のリスクを見極めます。

切削や金属3Dプリンターによる試作は初期費用の抑制に有効ですが、プレス特有の製造評価を省略する判断になります。試作段階で問題が見えなくても、量産ではバリや割れが顕在化し、工程再設計や量産型の作り直し、後加工の追加といった想定外のコストを招くおそれがあります。非プレス試作を選ぶ場合は、製造リスクが十分に低いと技術的に断言できるケースに限定するのが妥当です。それ以外は、簡易でも試作型を製作して製造性まで検証することを推奨します。

金型の料金と製作期間、試作の管理方法について

試作型の費用は形状、精度、工程数によって変動し、目安は30万円〜150万円超です。内訳は次のとおです。

  • 設計費:DFM(製造性設計)や成形シミュレーション(CAE)を含むレイアウト・型構造設計
  • 材料費:ベース/プレート/パンチ・ダイ材の調達
  • 部品加工費:マシニング、ワイヤー放電、型彫放電、研削、熱処理、表面処理
  • 組立・仕上費:ガイド調整、クリアランス設定、面当たり・手仕上げ
  • トライ(試打ち)費・修正費:試作トライ、測定、不具合是正の反復
  • 付帯費:治具・予備部品・輸送、図面/データ取り扱い費用

発注時には、工程数、材料仕様、トライ回数の前提が見積条件に正しく反映されているかを確認します。

製作期間(リードタイム)の目安

標準的なリードタイムは、設計から組立、初回トライまでで2〜4週間です。難易度が高い場合や部材の納期が長い場合は4〜6週間を見込みます。簡易構造かつ内製一貫で対応できる案件では、形状が単純で公差が緩い等の条件を満たせば5営業日〜2週間の特急も可能です。

リードタイムに影響する主な要因は以下のとおりです。

  • 形状難易度・要求公差
  • 設計変更の頻度
  • 材料・部品の納期
  • 設備の負荷・空き状況
  • 必要なトライ回数

試作の管理方法

試作では、まず図面とCADデータの版管理(Rev.)を徹底します。図番、改定履歴、適用開始日を明記し、幾何公差、材料規格、表面処理条件まで図面に集約します。データ授受は暗号化ストレージで行い、アクセス権限を限定します。

初回トライ後は、三次元測定機や投影機の結果、不具合写真、是正案、次回トライ計画を含む報告書を作成します。ここでCTQ(重要品質特性)の合否と、初期段階の工程能力(CP・CPKの目安)を共有し、量産移行の可否を判断します。

量産化に向けた改善では、絞りビードの配置やクリアランスの再設定、破断面の品質向上策を検討します。自働化の適用範囲や保全性の設計(給脂、摩耗部の交換性、位置再現機構)もこの段階で固めます。最終的に、金型は防錆油で養生し、摺動部を保護したうえで保管票(型番/適用製品/Rev./最終トライ日)を添付し、所在と履歴をPLM(製品ライフサイクル管理)で台帳管理します。

試作から量産まで並走する依頼先探しを支援します

プレス製品の試作は、設計妥当性と製造性を同時に確かめる工程です。試作型の適切な活用により、量産での手戻り・不具合・コスト超過のリスクを大幅に低減できます。料金・期間の見通しを早期に共有し、図面・データ・試作結果を一元管理することで、量産立ち上げを計画通りに進められます。

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