鋳造の用語を、キーワードと50音から検索できます。
あ行
鋳型
溶湯を流し込み、鋳物の形を作る型です。砂型、金型、石膏型などがあり、生産数、材質、寸法精度、製品サイズで使い分けます。
鋳型設計
鋳物の形状、材質、必要精度、生産数量に合わせて、鋳型の分割、抜き勾配、中子、造型方法、鋳枠などの構造を決める作業です。湯口・湯道・押湯などの鋳造方案と連携し、造型性や型ばらしも考慮します。
鋳型割れ
注湯前後に鋳型が割れたり崩れたりする不具合です。鋳型強度、締固め、取扱い、溶湯圧力を確認し、砂かみや形状不良を防ぎます。
鋳巣
鋳物の内部または表面にできる空洞状欠陥の総称です。凝固収縮による引け巣と、ガスによる気孔では対策が異なります。
鋳肌
鋳造後に機械加工していない鋳物表面の状態です。鋳物砂の粒度、塗型、溶湯温度、型の状態などが外観へ現れます。
鋳物
鋳型へ溶湯を流し込み、冷やし固めて作った製品です。鋳鉄、鋳鋼、アルミニウム合金など、用途に応じて材料が選ばれます。
鋳物砂
砂型を作るために使う砂と、その調整材料の総称です。粒度、強度、通気性、耐火性、再生性を製品条件に合わせて管理します。
鋳枠
砂型を保持するための枠です。上型用と下型用を組み合わせ、造型・搬送・注湯時に砂型が崩れないよう支えます。
インベストメント鋳造
ワックス模型の周囲へ耐火材を固め、ワックスを除去した空間へ溶湯を流す精密鋳造法です。複雑形状を一体化しやすい一方、工程数は多くなります。
遠心鋳造
回転する鋳型へ溶湯を入れ、遠心力で型壁へ押し付けて凝固させる方法です。管やリングなど中空回転体の製造に使われます。
押湯
鋳物本体が凝固するときに不足する溶湯を補給するため、鋳型へ設ける湯だまりです。製品より遅く固まる位置と大きさに設計します。
か行
介在物
酸化物、スラグ、耐火物片などが鋳物内へ取り込まれたものです。溶湯処理、取鍋の清浄度、フィルター、湯口系を確認します。
加工代
鋳造後に切削して所定寸法へ仕上げるため、あらかじめ製品へ追加する余分な肉厚です。鋳造公差、変形、基準面を考えて設定します。
ガス欠陥
鋳型や溶湯から発生したガスが鋳物内へ残って生じる欠陥です。溶湯処理、鋳型の水分・通気性、注湯方法を確認します。
ガス抜き
鋳型や中子から発生する空気・ガスを外へ逃がす通路や処置です。排気が不足すると、湯回り不良やガス欠陥につながります。
型ずれ
上型と下型などの位置がずれ、鋳物の分割面に段差が生じる不良です。鋳枠、位置決め、型合わせ、搬送時のずれを確認します。
型ばらし
凝固・冷却後に鋳型を壊し、鋳物を取り出す工程です。取り出し時期が早すぎると変形し、遅すぎると生産性や後処理に影響します。
金型鋳造
繰り返し使える金属製の鋳型へ溶湯を流し込む方法です。砂型より寸法精度と表面性を高めやすく、一定数量以上の生産に向きます。
木型
砂型へ製品形状を転写するため木材で作る模型です。製品形状に収縮代、加工代、抜き勾配などを加えて製作します。
球状化処理
溶湯へマグネシウム合金などを添加し、凝固時の黒鉛を球状にする処理です。添加量、溶湯温度、処理後から注湯までの時間を管理します。
キュポラ
コークスを燃料として主に鋳鉄を連続溶解する竪型炉です。溶湯温度と成分を管理し、集じんなどの環境設備も組み合わせます。
ケレン
鋳物表面に残った砂、酸化物、ばりなどを工具で除去して清掃する作業です。後工程の検査や機械加工を行える状態へ整えます。
高周波誘導炉
電磁誘導で金属を加熱・溶解する電気炉です。温度と成分を制御しやすく、鋳鉄や非鉄金属などの溶解に使われます。
さ行
サンドミキサー
鋳物砂に水分や粘結剤などを加えて均一に混練する設備です。砂の性状を安定させ、鋳型強度や通気性を整えます。
シェルモールド
樹脂で被覆した砂を加熱模型上で薄い殻状に硬化させる鋳型です。生型より寸法精度と鋳肌を向上しやすく、量産部品に使われます。
自硬性鋳型
砂へ樹脂などの粘結剤と硬化剤を混ぜ、常温で化学的に硬化させる鋳型です。大型品や少量生産などに用い、ガス発生や砂再生も考慮します。
自動注湯機
溶湯を鋳型へ一定量・一定速度で自動注湯する設備です。注湯温度、湯量、タイミングのばらつきを抑えます。
収縮代
鋳物が凝固・冷却時に縮む分を見込み、模型や金型寸法へ加える補正量です。材質、鋳造法、製品寸法で変わります。
集じん装置
造型、砂処理、溶解、仕上げなどで発生する粉じんを捕集する設備です。作業環境と設備保全のため、発生源に合う風量と集じん方式を選びます。
重力金型鋳造
金属製の鋳型へ、主に重力で溶湯を流し込む方法です。ダイカストより充填は遅いものの、ガス巻込みを抑えやすい特徴があります。
ショットブラスト
小さな金属粒などを高速で鋳物へ当て、付着砂や酸化スケールを除去する処理です。表面清浄化と外観均一化に使われます。
すくわれ
溶湯の流れや熱で鋳型表面の砂が持ち上がり、鋳物表面に不規則な突起や砂の巻込みが生じる欠陥です。砂の性状、塗型、湯流れを確認します。
砂落ち
鋳型の一部が注湯前後に崩れ、砂が製品表面や内部へ入り込む不具合です。鋳型強度、取扱い、注湯条件を確認します。
砂落とし
型ばらし後、鋳物表面や内部に付着した鋳物砂を取り除く工程です。振動、ショットブラスト、工具などを使い分けます。
砂型鋳造
砂で作った鋳型へ溶湯を流し込む方法です。大型・複雑形状や多品種少量に対応しやすい一方、一般に金型鋳造より表面と寸法精度は粗くなります。
砂かみ
崩れた鋳物砂が溶湯へ入り込み、鋳物内部や表面へ残る欠陥です。鋳型強度、湯口系、注湯時の流れを確認します。
セキ
湯道から鋳物本体へ溶湯が入る直前の入口です。断面積や位置が充填速度、乱流、凝固、切断性に影響します。
接種
鋳鉄溶湯へ接種剤を加え、黒鉛の生成核を増やして組織を調整する処理です。チルの抑制や黒鉛組織の安定化に用います。
造型
模型や造型機を使って鋳物砂を締め固め、鋳型を作る工程です。型の強度、寸法、通気性が鋳物品質へ影響します。
造型機
鋳物砂を鋳枠や模型の周囲で締め固め、鋳型を作る設備です。造型方式と締固めの均一性が寸法精度や鋳型強度に関わります。
た行
ダクタイル鋳鉄(球状黒鉛鋳鉄・FCD)
黒鉛を球状化して、ねずみ鋳鉄より高い強度と伸びを得た鋳鉄です。FCD450、FCD600など、要求する機械的性質に応じた記号で指定されます。
脱ガス処理
溶湯中に溶け込んだガスを減らす処理です。特にアルミニウム合金では水素による気孔を抑えるため、ガス吹込みなどを行います。
炭素当量(CE)
鋳鉄中の炭素やけい素などの含有量から算出する組成指標です。溶湯の流動性、凝固、黒鉛組織を管理する目安として用います。
鋳鋼
鋼を溶かして鋳造した材料・製品です。鋳鉄より融点が高く鋳造は難しくなりますが、強度や靭性が必要な大型部品に使われます。
鋳造
溶かした金属を鋳型の空洞へ流し込み、冷却・凝固させて形を作る加工方法です。複雑な内部形状や大型品を一体で作れる特徴があります。
鋳造公差(JIS B 0403)
鋳造品の寸法公差と要求する削り代を図面で指示する際に参照される規格です。鋳造方法、材質、寸法範囲、等級などの前提をそろえて指定します。
鋳造CAE(湯流れ・凝固解析)
溶湯の充填と凝固、温度変化などをコンピューター上で予測する解析です。湯口系、押湯、冷し金、欠陥対策の検討に用います。
鋳造ひずみ
部位ごとの冷却・収縮差により、鋳物が反りやねじれを起こす現象です。肉厚の均一化、鋳造方案、冷却・型ばらし条件を見直します。
鋳造歩留まり
注いだ金属量に対して、製品として得られる重量の割合です。押湯や湯道を小さくすると向上しますが、健全性を損なわない方案が必要です。
鋳造方案
鋳物を健全に作るため、湯口・湯道・押湯・冷し金・注湯条件などをまとめて設計することです。湯流れと凝固順序の両方を考えます。
鋳造用フィルター
湯口系へ設置し、溶湯中の酸化物や異物を捕捉する部材です。流れを整える効果もありますが、目詰まりと温度低下を考慮します。
鋳鉄
炭素を比較的多く含む鉄系鋳造材料の総称です。流動性や振動吸収性に優れ、黒鉛形状によって強度や加工性が変わります。
注湯
取鍋などから鋳型へ溶湯を注ぎ入れる工程です。温度、速度、流量、注湯高さのばらつきを抑え、酸化物と空気の巻込みを防ぎます。
通気度
鋳型を通して空気やガスが抜けるしやすさを示す性質です。低すぎるとガス欠陥、高すぎると鋳肌や型強度に影響するためバランスを取ります。
低圧鋳造
密閉した保持炉へ低い圧力を加え、溶湯を下から金型へゆっくり押し上げる方法です。乱流を抑えやすく、ホイールなどに使われます。
塗型
鋳型や中子の表面へ耐火性の塗料を塗ることです。溶湯の焼付きや砂の侵入を抑え、鋳肌を整える目的があります。
取鍋
溶湯を炉から受け、鋳型まで運搬して注湯する容器です。容量、予熱、内張り、清浄度、温度低下を管理します。
な行
中子
鋳物の穴や内部空間を作るため、鋳型内部へ置く別体の型です。鋳造後に取り除ける強度と崩壊性、ガス抜きを両立させます。
中子造型機
中子箱へ砂を充填し、鋳物の中空部を作る中子を成形する設備です。砂の充填性、硬化条件、寸法精度を管理します。
生型
砂、粘土、水などを混ぜ、乾燥させず湿った状態で使う砂型です。造型サイクルが短く量産しやすい一方、水分と締まり具合の管理が重要です。
抜き勾配
模型を砂型から抜く際に型を崩さないよう、引抜き方向の面へ付ける傾斜です。鋳造後の製品形状と機械加工代を考慮します。
ねずみ鋳鉄(FC)
黒鉛が片状に分布する鋳鉄です。振動減衰性や被削性に優れ、機械ベースやハウジングなどに使われ、FC200、FC250などの記号で指定されます。
熱間割れ
凝固末期の強度が低い状態で、収縮が鋳型や形状に拘束されて生じる割れです。肉厚差、角部、凝固順序、合金特性を見直します。
熱処理(焼なまし・焼ならし)
鋳造後の製品を加熱・冷却し、組織、硬さ、内部応力などを調整する工程です。材質と目的に応じて焼なまし、焼ならしなどの条件を選びます。
は行
バリ
鋳型の合わせ面や中子のすき間へ溶湯が入り、薄く固まった余分な部分です。型のずれや締付け、溶湯圧力を確認し、後工程で除去します。
引け巣
凝固時の体積収縮を溶湯で補えず、内部や表面にできる空洞・へこみです。押湯、肉厚、冷し金、凝固順序を見直します。
非破壊検査
製品を壊さずに表面・内部欠陥を調べる検査です。鋳物では放射線透過、浸透探傷、超音波などを、欠陥と要求品質に合わせて選びます。
冷し金
鋳型内の特定部位を早く凝固させるために置く金属片です。凝固の方向を制御し、引け巣や組織粗大化を抑えます。
ピンホール
鋳物内部や表面へ現れる小さな針穴状の気孔です。溶湯中のガスや鋳型からの発生ガスを減らす処理が必要です。
フルモールド鋳造
発泡樹脂で作った模型を砂へ埋め、溶湯の熱で模型を消失させながら置き換える方法です。模型を抜かずに複雑形状を作れます。
ブローホール
鋳型内で発生・巻き込まれたガスによってできる比較的大きな空洞です。位置や内面の状態を確認し、ガス源や排気不足などの原因を特定します。
ま行
見切り面
上型と下型など、鋳型を分割して合わせる面です。模型の抜きやすさ、中子の配置、バリ、鋳仕上げを考慮して位置を決めます。
模型
砂型へ製品形状を転写するための原型です。材質は木、樹脂、金属などで、収縮代、加工代、抜き勾配、分割方法を加えて作ります。
や行
焼付き
溶湯と鋳物砂が強く反応・固着し、鋳物表面から砂が除去しにくくなる欠陥です。鋳型材料、塗型、注湯温度、肉厚を確認します。
湯口
鋳型へ溶湯を注ぎ入れる入口、または縦方向の主流路です。注湯時の渦や空気巻込みを抑え、必要な流量を確保します。
湯口系
注湯口から湯道、セキを経て鋳型内部へ溶湯を導く流路全体です。乱流、酸化物巻込み、温度低下を抑える形状に設計します。
湯境
別々に流れた溶湯が合流しても完全に一体化せず、表面へ境目が残る欠陥です。注湯温度、速度、肉厚、湯口系を確認します。
湯じわ
溶湯の先端が冷えながら流れ、鋳物表面へ不規則なしわ模様が残る欠陥です。温度、注湯速度、型温、流路を見直します。
湯回り不良
溶湯が鋳型の末端まで届く前に固まり、製品形状が不足する欠陥です。温度、流動距離、肉厚、注湯速度、ガス抜きを確認します。
湯道
湯口からセキまで溶湯を運ぶ鋳型内の流路です。流速と温度低下を管理し、酸化物を製品へ入れにくい形状にします。
溶解
金属材料を炉で加熱し、鋳造できる液体状態にする工程です。温度、成分、酸化物、ガス、投入材料の履歴を管理します。
溶湯
溶かして液体になった金属です。清浄度、成分、温度、含有ガスを管理し、鋳型へ注湯します。
ら行
るつぼ炉
るつぼ容器内で金属を溶解・保持する炉です。比較的小規模な溶解や非鉄金属で使われ、材質に合うるつぼと温度管理が必要です。
連続鋳造
溶湯を連続的に冷却鋳型へ供給し、固まりながら引き出して長い鋳片を作る方法です。鋼や非鉄材料の素材製造に使われます。
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