鍛造の用語を、キーワードと50音から検索できます。
あ行
圧下率
鍛造前の高さh0に対して、加工後に減った高さ(h0−h1)が占める割合です。変形量の目安になりますが、製品形状や材料の流れも合わせて評価します。
荒地型
仕上げ型へ入る前に、材料をおおよその製品形状へ配分する中間金型です。仕上げ工程の荷重を下げ、欠肉や折込みを防ぎます。
エアハンマー
圧縮空気を利用してハンマーを動かし、繰り返し打撃して材料を成形する設備です。打撃エネルギーと作業性を見ながら大型・複雑形状を加工します。
折込み
材料表面が折れ重なったまま圧着され、線状の欠陥として残る状態です。予備成形や金型形状、材料流動の急変を見直します。
温間鍛造
冷間と熱間の中間温度域で行う鍛造です。冷間より荷重を下げ、熱間より酸化や寸法変動を抑えることを狙います。
か行
加工硬化
塑性変形によって金属の強度や硬さが増す現象です。冷間鍛造の利点になる一方、加工を重ねると割れや工具負荷が増えるため中間焼鈍を検討します。
型ずれ
上型と下型の位置関係がずれ、鍛造品に段差や偏肉が生じる不具合です。金型の位置決め、案内部、取付け状態を確認します。
型鍛造
製品形状を彫った金型の間で材料を圧縮して成形する方法です。繰り返し同じ形を作りやすく、量産品では材料歩留まりと加工代の低減が期待できます。
型彫り部
型鍛造用金型に加工された製品形状の彫り込み部分です。材料の流れ、充満性、抜き勾配、仕上げ代を考慮して設計します。
型割れ
鍛造金型に生じる亀裂や破損です。局部的な応力集中、熱疲労、硬さ不足・過多、潤滑不良などを確認し、原因に合った対策を行います。
金型材
鍛造金型に使う工具材料です。熱間・温間・冷間の別、面圧、温度、必要寿命に応じて、熱間工具鋼、合金工具鋼、超硬合金などを選びます。
金型潤滑装置
金型へ潤滑剤や離型剤を一定量供給する装置です。材料流動、離型、金型温度、金型寿命を安定させるため、噴霧位置と量を管理します。
金型摩耗
繰り返しの高荷重、摩擦、熱によって金型表面が失われる現象です。寸法変化やバリ増加を記録し、補修・交換時期を判断します。
金型予熱
鍛造を始める前に金型を所定温度まで温めることです。急激な温度差による熱衝撃を抑え、材料流動と金型寿命を安定させます。
クランクプレス
クランク機構で回転運動をスライドの往復運動へ変える機械プレスです。下死点付近で大きな力を発生し、型鍛造に用いられます。
欠肉
材料が金型の必要な部分まで十分に行き渡らず、製品形状の一部が不足する不良です。材料量、温度、予備成形、打撃・加圧条件を確認します。
後方押出し・前方押出し
パンチの進行方向と逆向きに材料を流すのが後方押出し、同じ向きに流すのが前方押出しです。冷間鍛造で中空部や軸部を作る代表的な工法です。
さ行
サイジング
鍛造後の製品を再度金型で押し、寸法や形状を整える仕上げ工程です。切削量の低減や寸法精度向上に使われます。
酸化スケール
熱間で加熱した金属表面にできる酸化皮膜です。製品へ食い込むと表面欠陥になるため、デスケーリングや加熱条件の管理を行います。
仕上げ型
型鍛造の最終工程で、製品に近い形状と寸法へ成形する金型です。前工程の材料配分が適切でないと、欠肉や過大なバリが生じます。
自由鍛造
材料全体を密閉する型を使わず、平らな工具などで部分的に圧縮しながら形を作る方法です。大型品や少量品に向き、作業者の技能と工程設計が品質に影響します。
潤滑
材料と金型の摩擦を調整し、材料流動、離型、金型寿命を安定させることです。温度域と材質に合う潤滑剤や塗布量を選びます。
ショットブラスト
小さな投射材を鍛造品表面へ当て、酸化スケールや汚れを除去する処理です。表面清浄化のほか、後工程の検査や塗装準備にも使われます。
しわ
材料余りや不均一な材料流動により、表面に波状の凹凸が生じた状態です。放置すると材料表面が折れ重なり、折込みへ進展することがあるため、素材形状、予備成形、金型形状、潤滑を確認します。
据込み
材料を軸方向に圧縮し、高さを低くして断面を太くする鍛造加工です。ボルト頭部などの予備成形に使われ、座屈や割れを防ぐ条件設定が必要です。
スケールロス
加熱中に材料表面が酸化してスケールとなり、材料として利用できなくなる損失です。加熱時間や雰囲気の管理は材料歩留まりに関わります。
精密鍛造
鍛造品を高い寸法精度と良好な表面状態で成形し、後加工を減らすことを狙う工法です。材料体積と金型・設備の精密な管理が必要です。
た行
ダイ
鍛造で材料を受け、製品形状を作る工具・金型を指します。上下型の総称として使う場合と、下側の工具を指す場合があるため文脈を確認します。
ダイインサート(入れ子)
型彫り部を別部品として金型本体へ組み込む構造です。損傷しやすい部分だけを交換でき、材料選択や補修を行いやすくします。
脱炭
鋼を高温で加熱した際、表面付近の炭素量が減る現象です。表面硬さや疲労強度に影響するため、加熱雰囲気と後工程を管理します。
鍛造
金属へ圧縮力を加えて塑性変形させ、必要な形状を作る加工方法です。組織を緻密にしやすく、強度が求められる機械部品に広く使われます。
鍛造温度
鍛造を行うときの材料温度です。高いほど変形しやすい傾向がありますが、酸化、脱炭、組織変化も大きくなるため管理範囲を決めます。
鍛造荷重
材料を鍛造する際に必要な加圧力です。材質、温度、変形量、接触面積、摩擦で変わり、設備能力と金型強度の選定に使います。
鍛造金型寿命
鍛造金型を修理または交換するまで使用できる回数や期間です。摩耗、熱疲労、割れ、塑性変形などの損傷モードを分けて管理します。
鍛造金型設計
材料、鍛造温度、製品形状、必要精度、生産数量に合わせて、荒地・仕上げなどの工程と金型形状を決める作業です。材料流動、鍛造荷重、バリ、金型寿命を考慮します。
鍛造CAE
材料の流れ、温度、成形荷重、金型応力などをコンピューター上で予測する解析です。工程数、予備成形形状、欠陥対策の検討に用います。
鍛造性
材料が割れなどを起こさず、鍛造で必要な形へ変形できる性質です。材質、温度、ひずみ速度、組織によって変わります。
鍛造比
鍛造による変形の程度を表す指標です。一般には鍛造前後の断面積比などで表しますが、据込みや伸ばしなど工法によって定義が異なるため、計算方法をそろえて比較します。
鍛造プレス
金型間で素材へ圧力を加え、所定の形状に成形する鍛造設備です。必要荷重、エネルギー、ストローク、加工温度に合わせて選定します。
鍛流線
鍛造で金属組織が材料の流れに沿って伸び、線状に見える状態です。荷重方向に沿うよう設計すると、切削品にはない強度特性を活かせます。
窒化処理
鋼の表面へ窒素を拡散させ、硬い窒化層を形成する表面硬化処理です。鍛造金型の摩耗や焼付きの低減に用います。
調質(焼入れ・焼戻し)
焼入れと高温焼戻しを組み合わせ、鋼の強度と靭性のバランスを整える熱処理です。対象材質と要求特性に応じて条件を指定します。
デスケーリング
加熱した素材表面の酸化スケールを成形前後に除去する工程です。スケールの巻き込みや金型摩耗を抑え、表面品質を安定させます。
トランスファー装置
素材や鍛造品を複数工程間で自動搬送する装置です。搬送姿勢とタイミングをそろえ、連続加工の安定化と省人化に使います。
トリミング
型鍛造後に製品周囲へ出たバリを、トリミング型で切り落とす工程です。製品温度と位置決めが合わないと、変形や切残しが生じます。
トリミング型
型鍛造品の周囲にできたバリを切り落とす専用金型です。製品輪郭と温度変化を考慮し、変形や切残しが出ないよう設計します。
トリミングプレス
型鍛造後のバリをトリミング型で除去するためのプレス設備です。製品変形や切残しを防ぐため、位置決めと抜き荷重を確認します。
な行
ニアネットシェイプ
最終製品に近い形状まで成形し、切削などの後加工を減らす考え方です。材料歩留まりと加工時間を減らせますが、鍛造精度の要求が高くなります。
抜き勾配
鍛造品を金型から取り出しやすくするため、型開き方向の面へ付ける傾斜です。小さくするほど後加工は減りますが、離型負荷と金型構造が厳しくなります。
熱間鍛造
材料を高温に加熱し、変形抵抗を下げて行う鍛造です。大きな変形や複雑形状に向きますが、酸化スケールと寸法変動を考慮します。
は行
バリ
型鍛造で金型の合わせ面から薄く押し出された余分な材料です。材料の充満を助ける役割もあり、成形後にトリミングで除去します。
パンチ
鍛造で材料を押し込む側の工具です。据込みや押出しでは高い面圧を受けるため、工具材料、潤滑、冷却、芯合わせが寿命に影響します。
ハンマー鍛造
上型を落下・打撃させ、その衝撃エネルギーで材料を成形する方法です。短時間で大きな変形を与えられますが、打撃回数と温度管理が品質に影響します。
ヒートチェック
加熱と冷却の繰り返しによる熱疲労で、金型表面に細かな亀裂が生じる損傷です。金型予熱、潤滑・冷却条件、表面状態を管理します。
ビレット
鍛造へ投入する一定長さに切断した棒状・角状の素材です。重量や切断面のばらつきは、充満性、バリ量、金型荷重に影響します。
ビレットシャー
棒材を鍛造用の所定長さに切断し、ビレットを作る設備です。切断面、重量ばらつき、直角度は後工程の充填や偏肉に影響します。
フォーマー(多段式冷間鍛造機)
線材や棒材を切断し、複数の金型工程へ連続搬送して成形する冷間鍛造機です。ボルトや軸物などの量産に用います。
プレス鍛造
プレス機で比較的ゆっくり連続的に荷重を加えて成形する方法です。材料内部まで変形させやすく、工程と荷重を管理しやすい特徴があります。
閉塞鍛造
材料の逃げを抑えた閉じた空間内で成形し、バリをほとんど出さない鍛造方法です。材料体積のばらつきが金型荷重へ直接影響しやすくなります。
変形抵抗
材料を塑性変形させるために必要な応力の目安です。材質、温度、ひずみ、ひずみ速度で変わり、鍛造荷重や設備能力の検討に用います。
偏肉
鍛造品の肉厚が場所によって不均一になる不具合です。素材重量・位置、金型ずれ、材料流動の偏りを確認します。
ま行
まくれ
材料表面がめくれて重なり、そのまま圧着された鍛造欠陥です。材料配分や金型角部、潤滑、工程順序を見直します。
マンドレル
穴や中空部を成形・保持するために材料内部へ入れる棒状工具です。摩擦と曲げ荷重を受けるため、材質、支持方法、抜き方を検討します。
メタルフロー
鍛造中に金属材料がどの方向へ移動して金型を満たすかという流れです。適切な流れは欠肉や折込みを防ぎ、鍛流線の向きにも影響します。
や行
焼付き
高温・高圧の接触で材料が金型表面へ局部的に付着する現象です。潤滑、金型表面処理、温度、面圧を見直して抑えます。
誘導加熱炉
電磁誘導でビレットを短時間に加熱する設備です。鍛造温度のばらつきを抑えるため、加熱条件と搬送時間を管理します。
予備成形
仕上げ成形の前に、材料を製品に近い分布へ整える工程です。必要箇所へ材料を送りやすくし、欠肉や過大なバリ、荷重集中を抑えます。
ら行
離型剤
鍛造品が金型へ付着するのを抑え、取り出しを助ける材料です。潤滑と冷却の役割もあり、種類と塗布量が品質と金型寿命に影響します。
リストライク
一度成形した鍛造品を再度金型で押し、寸法や形状を整える工程です。反りや局部形状の補正に使われます。
リングローリング
環状の素材を回転させながらロールで圧下し、直径を広げて継目のないリングを作る方法です。軸受輪やフランジなどに使われます。
冷間鍛造
材料を主に常温域で成形する鍛造です。高い寸法精度と良好な表面が得られ、加工硬化も利用できますが、必要荷重は大きくなります。
わ行
ワーク
鍛造の対象となる素材または工程途中の部品を指す総称です。打ち合わせでは、ビレット段階か中間成形品かを明確にすると認識ずれを防げます。
割れ
鍛造中または鍛造後に表面・内部へ亀裂が生じる不具合です。素材欠陥、鍛造温度、変形量、金型形状、冷却条件を確認します。
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